どんな会社にも、進んで業務を改善していく人と、いろいろ理由を付けて改善を止めたがる人がいるものです。
古くは、給与の支払いが手渡しから銀行振込に変わったとき、文句を言う人がいたそうです。
社内では「保守的な人」と言われていたりしますが、改善するにあたってこういう人間を動かさなければいけない事は、本当に気が重くなります。
私の経験では、紙で提出していた書類を電子化(と言ってもエクセル)する提案をしたところ、
「お宅の部署と違って、うちは改善が進んでいない。そっちのペースに巻き込まないで」
という理解不能な理由で却下された経験があります。
業務が効率化されるにあたって、今までやっていた作業が不要になることは、その仕事を主にやっていた人にとっては脅威です。
自分の会社での価値が下がるからです。
若い人ならば、他の仕事を覚える事で対応できるでしょうが、年を重ねた人がそれを行う事はとても重い労働のようです。
ある種の自尊心を傷つけられてしまうのであれば、改善に消極的になってしまうのも同情できます。
こういう人たちにとって、改善をしないことが1番目で、理由は後付だったりします。
改善に対して、サービスの低下、フォーマットの変更など、小さな理由であっても、改善を止める理由にして進まないように動きます。
すでに決定してしまったことでも、「台風が来たから処理が遅れている」などと言って従来のやり方で何とかやろうとする人も出たりします。
学びをやめた人間は、実業務に携わると、改善を止める石のような存在になるのです。
それが、管理職だったりするのでとても始末が悪い。
世界の技術は目覚ましく進歩している中で、今あなたがやっている業務が、一年後も同じようにやる業務であるとは言えないのです。
その流れに確実に乗ることが、業務改善を行うに当たって、大切な事の一つなのです。
私は、管理職は実務に携わらない方が良いと考えています。
リンク:管理職は管理だけしていればよい
日本企業では、管理職になる人は、管理職としての適性があるかは判断基準として重要視されていないのが現状です。
そのかわりに日常業務の処理能力が、出世する為の判断の材料となります。
そして、管理職になった後でも、日常業務から解放される事はなく、プレイングマネージャーとして、日常業務を続けるのです。
管理職になったからには、主な仕事は管理業務となるはずですが、そういった出世の背景もあり、管理職業務をあまりせず、日常業務が主になっていく管理職が出来上がります。
このように育てられた管理職は、日常業務が変化し、自分の出来る事が減る事を恐れます。
自分の価値が下がることを恐れるのです。
そんな管理職でも、管理職ではあるので、部署の決裁権をある程度持つことになります。
業務のシステム的変更は、管理職の許可なくは行えません。
上司にとって、提案された業務効率化は、知っていたはずの日常業務を減らすことになります。
それは、上司にとって恐怖です。許可できません。
結果、管理職で効率化が阻害され、改善の進まない部署が出来上がるのです。
管理職は、日常業務に携わるべきではありません。
少なくとも、管理職業務を行った後の余剰時間で日常業務を行う程度にとどめるべきです。
管理職の業務は、日常業務と違い、部下の業務を効率的に変化させていくものだという認識をしっかり植えつける事が何よりも重要なのです。
中には、管理職が日常業務をしないから、自分の仕事が多忙になると考える人もいるでしょう。
その問題の根本は、従業員不足であり、管理職の怠慢とは違う問題です。
管理職の立場としての解決方法は、部下の業務効率化につながる業務システムの効率で、その次に不足人員の補充要員となります。
管理職が、管理職としての教育を受ける機会はどのくらいあるのでしょうか?
案外、課長に就任したあとで「管理職研修2日コース」のような外務研修を1回受けるだけなのではないでしょうか?
酷いと、前任管理職からは、ファイルのみ渡され、引継完了とされてしまう場合もあるでしょう。
最悪、そのファイルすら無いでしょう。
その会社にとって、どのような管理が必要かは、その会社にしかわからないのです。
管理職は、管理職として教育を受けて初めて行える、日常業務とは違った仕事であることを、まず認識するべきです。
改善を進めるにあたって、上司・管理職は重要なポジションです。
まずは、管理職を日常業務から解放し、業務効率を上げる仕事にちゃんとつかせる事から始めるべきです。
仕事の有り様が変わった事を、その管理職が理解をすれば、日常業務の処理方法に固執する”改善を止める上司”は少なくなっていくことでしょう。
管理職は、管理業務を学ばなければなりません。